連理の部屋で、キスしながら浮かされたように俺たちは突き進んでいた。
慣れた連理に任せればいい
俺を押し流して。
「琉聖…」
掠れた声で名前呼ばれる。
「忘れよう…全部、捨てよう…連理、連理、お前のことが好きになりたい」
乾いた声で笑われて、身体が熱くなる。
欲情のみが脳を支配する。
「あ」
たくしあげられたシャツ。動き回る舌。
時々、唇から漏れる吐息…仄暗い連理の両目…濡れた指…。
「れ…ん…」
欲望の中心を煽られてしがみつく。
噛みつくみたいなキス、キス、キス。
「入れていいよ、琉聖…俺は慣れてるから…」
舌が淫らに這い回り、俺も自然と同じ動作を連理に返した。
「うん」
繋がった瞬間、頭ん中は真っ白になって…もう何にもなかった。
全部を注ぎ込む。
のけぞった連理の背中に倒れ込んで
そのまま目を閉じた。
連理、俺を救って。
幻影から解き放って。
代わりに俺も
お前に忘れさせてやるから
刹那的な快楽に浸る俺たちの身体に
早々と月明かりが毛布みたいに被さった。
まるで眠りを誘うように。
まるで血を流す心臓を労るように。