私【高岡 葵】はA高1年の水泳部員。泳ぎが苦手な私は、ダイエットも兼ねて泳げるようになろうと、水泳部に入った。
この高校のプールは室内プールで、校舎から少し離れた所にあり、トレーニング機器も揃っていて環境がいい。なのに部員が少なく、今では葵を入れて3人しかいない。
…それにはワケがあった。
コーチ『葵!じゃあ今から平泳ぎの足を…美咲、こっちに来て見本だ。朱希はターンの練習だ。』
2年生の朱希先輩は、プールに入り、練習を始め、美咲先輩はプールサイドの横のマットの上に寝そべった。
コーチが足を持つ。
コーチ『いいか?こうして…こう…この時に水を蹴るようにして…』
美咲先輩の水着が食い込んできて、顔を赤らめている。しかし葵はそれには気付いていなかった。
毎日18:00まで部活。しかし、今は先輩達は居残り練習をしている。コーチが葵に泳ぎを教えているので、先輩達の指導はその後になっていた。
いつものように先に失礼して帰っていた葵だったが、この日は忘れ物をして部室に戻った。
葵『あれ?プール電気消えてる。もう終わったのかな?…ん?』
パシャ…パシャ…
水の音が聞こえている。
葵はその音の方を見た。
(あ、先輩達だ。なんで電気つけないんだろ?)
コーチ『飛び込みの姿勢をとってみろ』
暗くてよく見えないが、多分、美咲先輩と朱希先輩の間にコーチがいて指導している。
朱希『…っ……あ』
美咲『んんっ……』
コーチ『どうしたぁ?その状態でもっとケツをあげろ!』
パチンと叩く音がする。
葵(ぅゎぁ〜スパルタだ…早く帰……)
コーチ『おまえら、そんなの着てるからケツも上がらねぇんじゃないのか?脱いで同じ格好をしろ』
葵(えぇ〜そんなのするワケないじゃん!…って、えぇっ!?)
朱希と美咲は何も言わずに水着を脱いでしまった。
コーチ『…よし。じゃあ俺が腰を持っててやるからそれで飛び込んでみろ。』
グラウンドのライトの光で、人の影だけはわかる。
それは、明らかにおしりを掴んでいた。
『何をやっているんだ?』
ビクッとなった葵。
そこには顧問の先生が立っていた。
葵『せ、先生!あれ見て!コーチが…!!』
顧問は、それを見て、葵の腕を掴んでコーチ達のもとへ連れて行った。
顧問『おい、葵がもっと練習したいそうだぞ。着替えろ!』