『高山君、遅くなってゴメン』
『ぜんぜん』
『…、で、話って?』
『あぁ…ひとみはさぁ、今付き合ってる人いるの?』
『…いないよ』
『そっかぁ…、良かったら、俺と付き合わないか?』
『…いいよ』
えっ…即答!
マジかぁ…
続くかなぁ…
いや修学旅行までは何としても
こうして、高校2年の秋に俺達は付き合い始めた。後で聞いた話だが、女子の間でも修学旅行に向けて彼氏作りのブームで盛り上がっていたそうだ。
付き合いだして2カ月。年末のある土曜日、俺は一人暮らしの同級生の部屋を借りていた。
ひとみにも『今日、授業終わったらのんびりしないか?田中ん家の部屋借りてんだ。』
と、伝えていた。
ひとみも覚悟していたらしい。
部屋に入ると、ひとみが作ってきたパンケーキが広げられた。うまかった。
安っぽいソファーに並んで座った。
見てもない再放送のドラマが流れていた。
テレビのスイッチを切ると、部屋に静寂が訪れた。
ひとみの首へ手を回し、唇を重ねる。
『あ〜〜優君』
付き合って2カ月。キスと服の上から胸揉み程度には進展していた二人だった。