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ラック・ガール #39

輪廻 2011-03-02投稿
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試合当日まで風邪を理由に学校を休んでいたリルナは、その間にマスターたちに蹴人の試合のことを告げていた。

「これでヨシ!」

リルナは、着なれないフリルの付いたワンピースに着替えさせられていた。
化粧や髪型までマスターとマキが整えてくれていた。

「フフ、可愛い。本当にお人形さんみたい」

リルナは玄関先でもう一度髪型の最終チェックを受けていた。

「いい?気を使うことなんてないワ。
学校には私たちから上手く説明しておくから。
あなたが店のこととか、大事なことをそのコに伝えたいなら、何も隠さなくていいのヨ?
と言っても信じてもらえないだろうけれど……ああ、そのときは私たちを紹介したって構わないワ」

「マスター、リルナちゃん困ってるわ」


リルナは涙をこらえて、笑顔で『行ってきます』と口を動かした。


「ふぅ。行ったわネ」

「マスター、あと少しなんでしょ?
前の借金」

「エエ。こんなことにならなければ、返せていたわネ…。せっかくマキも肩の荷が降りたところに…」

「じゃあもう一回、その荷物背負うわ」


マキは以前の様な大人びた真剣な顔つきで、リルナの後ろ姿を見送っていた。

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