『しっ!声デカいよ。お前良く見てんなぁ人のこと…』
『へへへっ』
『で、あいつ元気?』
『ん〜っ…、最後に逢ったのは………昨日よ!元気だったよ』
『またふざける…』
『で、結婚してるの』
『結婚はまだよ、確か同棲してたような気がする』
『へ〜っ同棲、じゃあ結婚近いんだね』
『さぁ?知らない』
『で、なんで今日は欠席なの?』
『なんか、バイト休めない。って言ってたよ』
『仕事じゃ無くて、バイトかよ…』
『うん。仕事は音楽教室のピアノの先生、夜のバイトはホテルのバーでピアノ演奏だよ』
『ふ〜ん』
そう言えば、子供の頃からエレクトーンやってたって、ひとみが話してくれた記憶がよみがえった。
『逢いに行く?』
『えっ!』
『えって、昔の恋人同士でしょ〜っ?』
『バカ。だから、余計に気が引けるし、遠慮すんだよ』
『じゃ行かないのね』
『…』
『私は行くよ。だって昨日約束したもん。』
『…』
実際、気にはなるが、同棲して結婚間近な花嫁に近づきたくは無かった。
だが、無性にムカムカするし、嫉妬心が湧いてくる。
過去の彼女が誰かに抱かれてるのは…許せないような。勝手だが…