一線を越えちゃうのは案外簡単だった。
気恥ずかしいのは俺だけで連理は全然変わんないし。
「痛くないわけ?」
と聞くと
「始めだけね」
と笑われた。
ならいいか、と思う俺はどっか病んでるなww
興奮も冷めちゃって、帰るのも面倒で。
だから連理の家に泊まることにして、テレビ見てた時に「あ」とか連理が目を見開いた。
「なに?」
携帯を見つめる連理
「来てる…外に」
「は?」
連理はパタっと携帯を閉じて、俺を見つめた。
「静留が」
…え??
連理がそっと部屋のカーテンを開けると、玄関先で寒そうにうろうろしてる静留が見えた。
な…なんで?
「俺、ちょっと話してくるわ」
「俺は?」
連理は微笑した。
困ったな、というように。
「俺と話したいんだよ、静留は」
わかってるけど。
胸が異常にドキドキする。
嫌なモヤモヤも。
「じゃ、ちょっと待ってろよ、好きにしてて」
連理は厚手のマフラーを引っかけて、去り際に俺にキスした。
「変な顔ww」
…仕方ねえだろ。
気になるんだから。