『その言葉嬉しいよ。でも、ひとみはやせたなぁ』
『うん、大学時代に15キロぐらい落ちた』
『何かあったのか?』
『そう。優君にフラれたせいよ』
『ば〜かっ、フッたかなぁ』
冗談かホントの話しなのかわからなかったが…
少し川面に目を落としていた二人だった。
『遅くなるとマズいだろ?婚約者にも悪いし…』
『えっ?まどかが何か言ったの?』
『いや、俺の想像だけど…』
『婚約者とかいないし、今夜は優君に任せる…』
『わかった、今夜だけは昔に戻ろうか。』
『うん。』
俺はひとみの手を握って立ち上がった。
人差し指で三回くすぐったら、直ぐにひとみも三回くすぐってきた。
『良く覚えてたね』
『当たり前よ、高校時代もドキドキしてたもん。忘れないよ』
『行こう』
『はい』
『ふふっ、相変わらず返事が良いな、ひとみは。』
『はいはい』