『こっちでも…いいかなぁ』
ひとみは、申し訳なさそうにX柱張り付け仕様の部屋を指さした。
『こっちが…だろ』
『え〜っ、なんでよぉ』
『昔と好みが変わっていなければなっ』
『変わって…ない…』
『確認するよ…』
『もうっ…意地悪』
部屋は、写真通り、フロアの真ん中に黒のX柱があり、それぞれ4ヶ所に革製の手伽、足伽が備え付けてあった。
壁には、ムチや、ローソク・ロープ・目隠し…などが妖しげにレイアウトされてある。
『緊張してるか?』
『いくつになっても、するものよ』
『ひとみ、お風呂熱めに入れといてくれる?』
『はい』
ひとみは靴下を脱いで、浴室へ向かった。シャワーで浴槽を洗い流してる音が響いてきた。
優斗は、上着を脱いで部屋の照明を落とした。
シングルソファの向きを変え、X柱と向かい合わせにした。
テーブルもソファの横に置き、冷蔵庫から缶ビールを取り出した。
優斗は今から始めるストーリーを考えながら…ビールを口にした。