お前にわかる?
何にもしてないのに、見下してんじゃねえって言われた人の気持ち
たまたま好きなことが勉強だっただけなのに
贔屓されてる、とか…がり勉って嘲られる子供の気持ち
俺は引っ越してばっかで、友達なんか出来やしなくて
いつも一人だった。
ここにきて、ようやく親父にもう引っ越ししないよって言われた時でも
だからといって友達が出来るとは思えなかった
俺がもっと笑ったり、怒ったりしてたら友達できるかなって鏡で顔をこねたりして、笑うよな
あの日まで俺は本当に笑わない子供だった
琉聖に会った、あの日までは
俺がいつも読んでた本、いきなりとりあげて
あ、いつもの苛めが始まったんだなって思ったら
そいつ、ニッコリして
ドッジボールやろうぜ〜!
ってさ…
俺、まだ返事してないのに…座ってた、本もってた、その空いた手を握って
引き上げてくれた
その瞬間、全部を、身体ごと全てを
引き上げてくれたんだ
あの日から俺は自然と笑ってる自分がいた
琉聖がくれたのは、今の俺そのもの
琉聖が嫌いでも…俺を嫌いでも、俺は絶対に嫌えない
だから…