静留が帰る。
その後ろ姿をそっと見送って…
ふと気づいた。
恋に、ケリがついたこと。
自分の殻を取り去ってまで俺を守るために戦った静留
俺が傷つけたのに、俺の為に泣いた静留。
そんな静留に俺は何をしてやるのがいい?
答えは簡単だ。
親友でいてやること。
永久にこの想いを閉じ込めて錠をかけること。
わかっていたけど、
辛い。
辛いけど、嬉しい。
親友でもいいさ…あれだけの想いを聞けたなら。
消えていく静留をみていた俺は、背後から見下ろしてる存在をウッカリ忘れていた。
「で?」
耳元にいきなり囁かれて、ぎゃっと飛び上がる。
恐る恐る、振り返り…連理の、唇歪めて若干怒りを含んだ目を見つめ返し…いや見つめ返す努力をする。
「あ〜…え〜…」
「おっまえは!!!!
この、自己中!!自己中!!!自己中があ〜!!」
頬っぺた両手で、本気でつねられて痛さにチカチカした。
「いたたたたたた、ごめんて、ごめん!!いや、ごめんなさいって、いたた!」
ようやく連理の手が離れ、俺はハムスター並みに頬をグルーミングした。
連理は、ふんっ、と鼻を鳴らした。