俺は蒼星が好きなんだと思う。
そうじゃなければ俺は病院のベッドの上なんかに居ないだろう。
治療なんか絶対に受けなかった。
「秋仁っ!?」
手術が終わって目を覚ますとぼんやりした視界に蒼星が映る。
「俺が解るか?」
心配そうに俺を見つめる蒼星。
その横には親が見える。
ぼーっとした意識の中で俺は精一杯の力を振り絞り、蒼星の白衣の袖を掴んだ。
「!!」
蒼星は一瞬驚いたが、すぐに優しい表情をした。
そして、いつも通り俺の髪をくしゃくしゃにした。
「もう一眠りすれば麻酔も全部なくなってるさ。だから…おやすみ秋仁」