俺は夢をみた。
優しい光の中で蒼星が抱きしめてた。
とても心地よくて、安心出来る夢。
だが、俺は痛みで目を覚ました。
切ってるんだから当たり前と言えば当たり前なんだが痛すぎる。
俺はナースコールを押した。
「どうかされましたか?」
『あの…蒼…じゃなくて北斗先生呼んでもらえますか?』
ナースは分かりましたっと言った。
数分後、蒼星が息をきらして部屋に飛び込んできた。
どうやら全力疾走してきたらしい。
『先生が院内走っちゃ危ないですよぉー』
と俺が言うと今までの焦った顔が呆れた表情になった。
「何か用ですか?黒崎さん?!」
呼吸を調えながら明らかに怒ってる蒼星に手招きをした。
蒼星は横に来るとポケットから薬をだした。
「これだろ?」
薬を見るとピンク色の錠剤。
「痛み止め」
俺はさすがっ!と言って薬を飲んだ。
「早く帰れるようになれよ」
そう言って頭を撫でて部屋を出ていった。
『蒼星っ!!!』
俺が呼ぶと入口から顔を覗かせ、首を傾げた。
『……っとう…』
「え!?」
『ありがとうって言ったんだよっ!!』
少し驚いた顔をしたが、また後でなっと言って姿をけした。