次の授業、連理の姿はなかった。
俺は…わかっていた。
連理はアイツと一緒だ。
いいじゃないか、ともう一人の俺が笑う。
どうせ初めからあってないような関係…貸し借りで生まれた関係じゃないか。
俺は連理に借りを返した。
連理はそれで、オシマイにした。
それだけだ、と声は言う。
けど、もう一人の俺は
悲鳴をあげていた。
全身を針で刺されたような嫉妬の痛み。
今、連理とアイツが同じ場所に居るんだと思うと息さえつけない苦しみ。
いつの間に連理は俺にとってそんな存在になっていたんだろう?
甘えたような声で俺を求める連理。
バカなこと言ったりやったり躊躇ない連理。
好きだよって言葉に憶さない連理。
もう一度、好きって言われたい
その言葉を思いだし、俺は…嫉妬で身体が焼けないのが不思議だった。
泣き顔みたいな笑顔でその言葉を放った連理の心の中に
庄野が居たんだ。
俺は吐きそうになった。
俺を抱きながら、俺に抱かれながら
連理は考えていたんだろうか?
これが
庄野なら…先生ならいいのに…
と。