50分。
あと10分。
俺は迷いなく殴り込みにいく。早く…!
静留の意図はなんとなくわかってきたが、だからって平気なわけはない。
むしろ、静留が芝居なのかなんなんだかわかんなくなってきた。
俺がみていることがわかっていて、こんなこと出来るんだろうか?
あまりにも二人はエロティックで胸が騒ぐ。
静留の学ランのボタンが外されて庄野の指が忍び込む…
もう無理!
限界!!!!!!!!!
俺が勢いよく扉を引こうとした時、その手をぐっと止められ危うく叫びだしそうになった口を背後から塞がれた。
「あと少し待って、琉聖」
!!!
連理?
息を呑み込み、振り返ると優しい笑顔で唇に指を一本立てている連理がいた。
その顔は、前の連理そのものだった。
俺が何か囁こうとした時、
「いやだっ」
と静留が叫んだ。
見ると静留が机に押し倒されていた。
連理が、俺に囁いた。
「チェックメイト!」
俺たち二人は勢いよく教室に殴り込んだ。
時計はちょうど6時を指していて
静留は組み敷かれた体勢のまま笑って言った。
「はい、カット〜!」
俺は、カメラを切った。