庄野は瞬時に、悟った。
ゆっくりと静留から離れ、俺たち二人を感情を抑えた目で見つめた。
「やってくれたね」
静留は机から飛び起きて、乱れた服を直した。
「貴方の真似をしただけですよ」
静留の言葉に連理が吹いた
それから強い瞳で庄野を見据え、言い放った。
「賭けは俺の勝ちだな。約束は守れよ、碧」
庄野はらしくなくも疲れたように、しかし皮肉な笑みで連理を見返した。
「どうやらそのようで」
…俺は話がさっぱり見えない。
おそらく誰より見えてないにちがいない。
「巧くいくと思ったんだけどなあ…水島君が君たちの関係を知っていたとはね」
驚くほど子供みたいな表情に砕けた口調で、庄野は笑った。
「じゃあ返して貰うぜ」
連理が手を出すと…庄野は携帯を渡した。
連理のだ!
連理は俺に泣きたくなるくらい優しい笑みを向けた。
「信じてたよ、琉聖」
がばあっと俺を抱き締める
庄野が口笛を吹く。
「おめでとう」
連理は俺を抱き締めたまま庄野に言った。
「碧!今度、琉聖に近づいたら…ムービーばらまくからな…本気だぜ?」
庄野は楽しそうに声をあげて笑った。