「よし!今日は自習!!」
少し授業を始めたところで、私は威勢よく言った。 自分でも一言目の よし! の意味はよく分からない。生徒はぽかんとした様子。でも私はそれも気にせず、授業の用具もそのままにして教室を出た。
広瀬くんのことが気になって授業なんてできなかった。教師失格… だけど今、広瀬くんの事ばかりが頭に出てくる…。
私はまず保健室に向かった。
「広瀬くんいますか?」
「広瀬くん…?来てないわよ。」
「そうですか…」
私はこんな調子で、相談室も回ったけどやっぱりいない…。
「あの… サボりめっ…!」
私は走りながら学校中を探した。でもやっぱりいない。
「屋上も見に行ったし…あとはトイレかな…でもトイレって…」
かなりの数… ってその前に男子トイレに入るの抵抗あるよ…。と、ぐったりしつつも歩き出そうとしていた時に、リスニング教室が目に入った。