私は、とある小料理屋を営むごく平凡な38歳。
12歳と7歳の男の子にも恵まれ、普通の幸せな生活を送っていた。
私は毎朝、近くのスーパーに買い出しに行く。毎日毎日行っていると、自然にレジの店員さんの顔も覚えていく。
そこは大体の店員さんは年を取ったオバサンだが、二人ほど30前後の女性がいる。気には留めていなくても、自然と若い方のレジに行ってしまうのは当然の性か…。
ある平日の事。
その日は下の息子の参観日。
私は自分の職業柄を利用し、久しぶりに観に行く事にした。
息子のごく普通の授業態度を見て安心しながらふと周りを見回すと、見覚えのあるお母さんが…。
(ん?)誰だっけ?
と考えていると、
『あっ!あのスーパーの店員さんか!』
と思い出した。
へぇ…私服を着てるとなかなか美人やな…と思って見ていると、向こうも私に気付いたらしく、軽く会釈された。
私もとっさに会釈仕返したが、何故かドキッとした。
参観が終わり、帰ろうと教室を出ようとしたところで声を掛けられた。
「孝介君のお父さんだったんですね?私、良平の母親です。」と…
息子の孝介と良平君は友達だった。
へぇ…と思いながら、
「そうだったんですか。あのスーパーで働いてらっしゃいますよね?」
「まさか孝介君のお父さんだったとは思いませんでした(笑)」
などと話しをしながらその日は別れた。
そしてある日曜日…