「え?」
と、広瀬くんはうつ向いていた顔を上げ、私と目を合わせた。私はそれをさっとそらしてしまった。自分でも言うつもりが無かった「気になって…」という言葉が妙に恥ずかしかった。
「先生、俺のこと気にしてくれたの!?」
広瀬くんは私に詰め寄る。
「あ、当たり前でしょ?生徒が授業に出てないんだから…」
私はあたふたしながら言った。
「でも、生徒1人サボる位普通にあることじゃん。それなのに追いかけてきてくれたんでしょ?しかもリスニング教室まで…」
更に私に詰め寄りながら広瀬くんは問いかかる。顔…近いよ…;私の頬が赤く染まっていくのが分かる。
「ひ…広瀬くん、昨日私の授業に出てくれるって言ったのに…出てくれてなかったから、だから気になったのよ…」
今度は私がうつ向いて話す。私だけ焦って…恥ずかしい…。
「…よかった」
「え!?」
今、何て??;
「心配してくれる、ってことは…俺のこと嫌いじゃないって思っていい??」