嫌う…？ 私が広瀬くんを？
「だって俺、昨日無理矢理…。」
「あ…」
自分でも無理矢理犯されたことへの屈辱感を忘れる程に、あの時の広瀬くんの涙ぐんだ姿の方が私の頭の中を回っていた。
…思えば、私、ずっと前から広瀬くんのことで頭いっぱいにしてたな…。
「先生？」
何も言わない私に、広瀬くんが問いかける。
「広瀬くんこそ…私のこと教師と思ってないとか言ったり…私のこと嫌いなんでしょ？」
自分でもびっくりする位、私は今までと違い冷静になっていた。
「思いたくなかった。」
広瀬くんはすぐに答えた。
「先生のこと、先生って思えば思う程、距離があるように感じたから。」
「…？」
私は黙って聞いていた。
「先生が授業する度に、この人と自分には差があるなって思えたし…だから、授業受ける気になれなかった」
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