その日はどうやって彼と別れたかは、
覚えていない。
きっと、疲れて幻でも見てしまったのだと、ぼんやり思っていたからだ。
名前も聞かないままだった。
何もかも、
また、いつも通りだった。
「さぁて、今日はナニして遊ぼっか?」
体育用具室は、
わたしの処刑場だった。
中学時代から身体の発育だけが異常に進んでいたわたしは、
春前に注文した制服や体操着がきつくなるほどその発育は衰えるどころか、
益々、活発になっていた。
無論、目立たない様にしてきたわたしだったが、その身体を妬まれ、
同性からは疎まれていた。
中学時代は陰で男子から、
『オカズ』と揶揄されていたし、
一部の教師からは、挨拶代わりにお尻を撫で回されていた。
こんなわたしを、高校生の男子たちが、
玩ばないハズはなかった。
「昨日はバイブオナニーだったし。
次は、そうだな。
いっちょ、ナマでイッときますか?」
「!!!………嫌」
マットに押し倒され、
体操着を奪われれば、
いつもの状態だった。
「ハハハ、こいつ。
下、着けてんの、ピンクの上下だぜ。
俺らにされんの楽しんでんのか?」
「余計興奮させてどーしようっての?ん?」
五人だったり、六人だったり。
一度、朝まで帰れず、何十人も相手をさせられたこともある。
当然逃げようとする。
また押し倒され、
お化けスイカみたいなわたしの胸を、
下着ごと、
わし掴みにされる。
―痛い…。痛いよ…。―
そう言いながら、
また男子たちの大きくなったモノをくわえさせられる。
こんな目にあっているのに、
わたしのスジからは、
汗以外の『何か』が、
じっとり溢れているのだ……。