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セタンスクレ27

イサヤ 2011-06-19投稿
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「俺、怖くなりましたよ。ガキながらに…自分の守り方を分かってたあいつが」


…何だよ、それ。


「狂気を愛情だと思い込む事で自分を守ってた
それがいつしか当たり前になってたんでしょうね」



「だから、所長の事もわざと怒らしてたんだって、分かってしまったんですよ、俺。仕事だって…本当は出来るんでしょ?」

…そうだよ
あいつは…
本当…は

「……馬鹿じゃねぇか…アイツ」

「…そうですね」


「…ガキじゃあるまいし……」

俺は頭を痛めるフリをして額を両手で覆いながら、鼻で笑った


泣きそうになったから。
俺も家庭事情は複雑だったが祖母が大切に育ててくれたから
あいつの気持ちが分かるワケじゃない

なのに
何故か目頭が熱くなっていくのを
ただ抑えるのに必死だった。


「…ただ俺にも分からない事があるんですよね」

「…何だ」

俯きながら絞るように言葉を返すと
原島は一呼吸置いて答えた


「"佐木が自分から身を引いた"ことっすよ。」

原島の言葉にピクリと体が反応した。


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