愛美は会社に出勤するとタイムカードを機械に入れると、愛美の所属するオフィスに入って行った。
すると課長から直接応接室に出勤早々呼ばれた。何事かと愛美は応接室の黒いソファに腰掛けた。すると課長の唇から意外な事を言われた。
『愛美君、キミに取引先の会社の課長さんを特別接待をして欲しいんだが、やっぱり駄目かな…?』と課長さんが愛美に尋ねた。
『え!私が特別接待をするんですか…? それはいいですけど…、一体何をすればいいんでしょうか…?』と愛美は課長さんに尋ね返した。
『とにかく、先方さんは君を御指名なんだよ! 昨今先方さんから電話があったんだよ!』と課長さんは苦笑いしながら言った。
『そ、そうなんですか…!それは光栄な事ですけど…、』
『とにかく、今日の夕方会社が終わったら、先方さんに逢ってくれたまえ!愛美君、いいね…?』と課長さんが命令口調で言った。
『それで何処に行って待ち合せをすればいいんですか…? 勿論課長さんも一緒に来て貰えるんですよね…?』
『イヤ…、愛美君独りで逢うのが先方さんの条件らしいんだよ…!逢う場所は赤坂のシティーホテルのエントランスで待ち合せするらしいんだよ! だから、愛美君が独りで逢ってくれ!』と課長さんが言った。
『判りました…!とにかく私一生懸命頑張ってみます。』と愛美は力強く言った。
そして愛美は待ち合せの時間迄 デスクワークをした。たちまちあっという間に時間が経ち、約束の時間が迫って来た。
『では課長さん、約束の時間が来たので私一生懸命頑張って先方さんを接待して来ます。』と課長さんに言った。
『頼んだぞ!愛美君、君の特別接待に我が社の命運が掛かっているからな!愛美君頑張ってくれ賜え!』と課長さんは愛美に力強く言った。
『はい!とにかく行って来ます!』と言って愛美は会社を出て行った。愛美は会社を出るとタクシーを一台拾って約束の赤坂のシティーホテルにタクシーを走らせた。
暫くすると待ち合せ場所のシティーホテルの玄関の前に着いた。愛美はタクシーを降りるとホテルの玄関の中に入って行った。
すると約束通りエントランスの奥のソファに先方さんの課長さんが座っていた。
その男性の顔を見て愛美は絶句した。何故ならそれはあの痴漢野郎だったからだ。