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もうだまされないっ! #3

輪廻 2011-08-12投稿
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「夢乃、これ、悪ィんだけどさ、下の教室行って返して来てくんない?」

「望くん、頼むよ!」

クラスメイトから望に手渡されたのは、男性用避妊具。
パッケージを見ただけではそれとは分からなかった望は、言われるがまま、指定された教室に向かった。
その人に返して欲しいと言われた女子生徒の名前を呼んだ。

「え?あたしだけど……」

怪訝な表情で、その女子生徒は望を見た。

「これを返して来てって…」

「きゃああ!!」

「やだっ!!」

「何してんの!この人!!」

一瞬にして昼休みの教室に悲鳴が溢れた。

望には理解出来ないことが目の前で起きていた。

「ちょっと!!早く帰って!!」

「やだ〜、最悪だね…」

望は、走って教室から出て行った。
知らない教室に行き、知らない女子生徒たちから悲鳴をあげられ、望は涙を堪えきれなかった。

今までクラスメイトにこういうことをされたのは何回もあった。
しかし、今回で望は、他のクラスにまで変な噂をたてられると思った。


「……」

「……!!」

ふと、顔を上げると、見知った顔がそこにあった。

「…あ…!……あ…!」

「……あ…!!」

お互いに口はパクパクと動くばかりだった。

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