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もうだまされないっ! #5

輪廻 2011-08-13投稿
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「特別進学クラスにもそういうことあるんだね……」

お互いに、学校の外の自動販売機で飲み物でも買って落ち着こう、ということになった。

外は暑かったが、何か校内よりは空気が良かった。

「でも…びっくりした。きっとこのまま電車の中でしか会えないと思ってたから…」

「僕も……」

「…アレ。わたしの顔見て分かったってことは、もしかして毎朝見られてた?」

「あなたが…保月さんが眠り込んだ時とか、たまに起こしたりしてました……」

望は申し訳なさそうに笑った。
またしてもサヤの顔は、赤らんだ。

「なかなか起きないから、僕も電車からギリギリ出たことが何度かありました」

サヤはその時自分は、そのまま駅を寝過ごしてしまったんだろうと、思い当たった。

「あなただって……夢乃くんだって、眠り込んだ時に、本を落としたりしてた!」

二人は、今日まで喋れなかったことを、授業があるのも忘れ、語った。
適当な理由をつけ、二人は早退した。

西の方から、空がオレンジ色に染まる頃、二人は帰りの電車に乗っていた。

「そっか〜、本読む時間も無いんだ」

「代わりに勉強なら多少できますから」

「多少って…。嫌味に聞こえた!」

帰り際に、お互いの連絡先を交換した。

「……いじめる奴等なんか、相手にしないで良いんだからね?」

「…はは。ええ、分かってます」

じっと瞳が重なり合う。

「明日の朝、また…」

「うん……」

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