長は笑い終わると俯いていた僕の顎を持ち上げた。
そのまま視線を上に向けるとすぐそこに長の青い瞳があった。
「君の名前は?」
至近距離で聞かれると少しドキドキする。
『か……翔…』
僕の声はかすれていた。
長はクスッと笑うと僕から手を離した。
「さてと…」
長はそう言うと部屋にある別の扉に入っていった。
中から水の音が聞こえる。
どうやらお風呂らしい。
僕はその間に高鳴った鼓動を落ち着かせた。
長がお風呂から出てくる。
「次どうぞ。」
『え?』
僕が長を見ると笑いながら近づいてきた。
「どうせ今日は帰るつもりなかったんだろ?」
そう言って僕の頭を軽く叩いた。