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もうだまされないっ! #6

輪廻 2011-08-14投稿
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ついに喋ってしまった。
お互いの連絡先まで入手した。
二人は自宅に戻って、
今日起きた奇跡を反芻していた。

そして、焦っていたのは望だった。

自分がいじめられているからこそ、
彼女と積極的に関わろとは思わなかった。
彼女を巻き込むこと¨だけ¨は、避けたかった。

つまりだから、恐怖していたのだ。
毎朝の彼女の、誘うような瞳に。
自分の理性が本能に負けることを、
恐怖していたのだ。

――思った通りに、魅力的だった。

サヤもそう感じていた。

やっぱり気弱で、
しかしきちんと意見を持っていて。
守ってあげたくなる。

そんな魅力があった。

サヤの理性が本能に負けてしまっているとは、サヤ自身も分かっていなかった。

だからこそ、翌日に起きる出来事を、
誰にも止められはしなかった。


「昨日、夢乃望くんに下の教室に行くように言った男子、誰?」

昼休みになり、望が昼食を買いに自分の教室から出て行った時、サヤは彼をいじめている男子たちを特定しに行ったのだった。

三、四人の男子がサヤの前に立った。
顔はみな、不気味に笑っていた。

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