望を集団で辱しめる、というような会話内容。
そういうことをするには、場所は限られてくる。
学校ならば、望を呼び出すには手っ取り早く、夜ならば見つからない。
そして、広さが要る。
理科室。
保健室。
いずれも鍵がかかり、教員以外は開けられない。
各部室も同じ。
そうなれば、自ずと自由に出入り出来る場所は決まってくる。
最後まで部活動の生徒が残り、生徒以外に鍵が閉められず、用があると言えば直ぐに鍵を開けて、入ることが出来る場所。
体育館の倉庫しかない。
しかし、¨望¨とはいったい誰なのだろう。
いつ、その人物が酷い目に遭うのか…。
そんなことを考えていた矢先、廊下に誰かうずくまっているのを発見した。
彼は、自ら名乗った。
「………ゆ、夢乃…!!夢乃、望です…!」
「……保月!保月サヤです…!!」
彼女が、望をいじめる男子生徒たちを捕まえると決意したのは、この瞬間だった。
自らがレイプされてでも、あの男子生徒たちを捕まえる。
その覚悟を友人たちは理解しなかったが、
倉庫にビデオカメラを設置し、体育館の鍵を開け、警察官を外に呼んでおくだけで、後は全てサヤ自身で片付けると言い出した。
友人たちは放っておけなかった。
彼女の短絡的な性格と、感情的な性格を知っていたからだ。
言い換えれば、『やると言ったらやる』性格だった。
友人たちは、警察官のもとまで、男たちを誘導する役も引き受けた。