美紗が暫く姿見の鏡に向ってマジマジと眺めていると、突然美紗の愛用の携帯の着信音が鳴った。
美紗が出てみると、相手は和也だった。
『もしもし、美紗さん、和也だけど…! もう予備校の授業が早く終わったから、もう少し街を連れのタカと一緒にぶらぶらしてから帰るけど、いいかな〜! 』
『それはいいけど…、なるべく早めに帰って来てね…! 私…待ち切れ無くて…!』と美紗は甘ったるい声で和也に言った。
『あ、それと、言い難いけど…、連れのタカが両親が旅行中で独りで寂しいから、今夜一晩だけ泊まりたいって言っているんだけど…、美紗さん、いいかな〜!』
美紗は一瞬戸惑ったが、『うぅん、一晩だけなら、泊めてあげてもいいわよ…!』と美紗は平然とした態度で言った。
『そう、じゃあ、なるべく早めに帰るから、じゃあネェ…!美紗さん…!』と言って和也は一方的に携帯を切った。
美紗は慌ててベッドから立ち上がると、脱ぎ散らかした白いTシャツとデニムの超ミニスカートを急いで着ると、部屋の掃除を始めた。
そして美紗は家事一切を手早く済ませると、リビングルームに行くと、クリーム色のソファに腰掛けて、和也が帰って来るのを待っていた。
すると美紗はいつの間にかウトウトとソファで居眠りをしてしまった。暫くして美紗が気が着くと既に夕方近くになっていた。
暫くして玄関のチャイムが鳴った。美紗がインターホンの受話器に出ると、案の定和也達だった。
『あ、和也君、以外と早かったじゃないの…! 今迎えに行くから、待っててネ…!』と言って美紗はまるで新婚の新妻の様に小走りに玄関に向って行った。
美紗がドアーを開けると、和也と親友の貴裕君が立っていた。
『タカ、紹介するよ!この色っぽい女性が、俺の親父の後妻さんで、美紗さんって言うんだ…! タカも自己紹介しろよ…!』と和也は少し照れ臭そうに貴裕に言った。
『初めまして!! 俺、和也の親友で内田貴裕と言います!! 美紗さん…、今夜一晩お世話になります…!!』と貴裕は緊張気味に自己紹介をした。
『貴裕君だっけぇ…!随分緊張しているみたいだけど、自分の家みたいにして居てネェ…!』と美紗は優しい目な差しで貴裕に言った。