好きでいることをやめられたら、どんなに楽だろう?何度もそんなことを考えた。でもやめることが出来ない。…そばにいれるだけで、幸せなこともある。ただ、一番になりたい。五人の中の一人じゃなくて、ただ一人の存在になりたい。
がちゃ
「おい、あや。早くおいで」
蓮が笑顔で言う。あやは、蓮の笑顔が好きだ。走って向かうあや。二人で食卓に向かった。
「さて、と。学校行くか」
「はい」
食事を済ませ、車庫へ向かう。車に乗り込み学校へ向かう。…はずだったのだが。
「あ、真田(運転手)。学校じゃなくて水族館な」
「水族館…?」
「あぁ」
「…かしこまりました」
真田さんの間が、少し気になった。だいたい、なんで学校に行かないんだろ。しかも今の時間はまだ開いてないはず…。そう思い、蓮を見ても、ただ無言で笑うだけ。何を考えてるんだろう。