「「……………」」
俺たちは目が合った。 時計の針の音だけが数秒間響いた。二宮 美砂はM字に脚を開き、オナっている格好で固まっている。それを黙って見てる俺。異様な光景だ…。 その時、校内放送が流れた。
『下校時間ですので、校内に残っている生徒は帰りの準備をしてください』
「!」
俺は、はっとして、
「ごめん!!」
と何故か謝って、ドアを凄い勢いで閉めた。そのせいでブレザーの裾がドアに挟まってしまった。 げっ…!! と思い、もたつく手で、ドアから裾を引き抜こうとする。その拍子に返す予定だった本が落ちる。
「くそっ…!」
かつて無い程に焦る俺。早くこの場から抜け出したい…! すると、ドアが開いた。そこには制服を整えた彼女が立っていた。
「そんなに引っ張っちゃ、ブレザー傷むよ」
と、焦る俺とは逆に彼女は落ち着いた雰囲気で俺と目を合わせた。
「あ…」
と、動揺する俺に、彼女は
「入って。その本、返しに来たんでしょ?」
と、落ちている本を指差す。 この状況でよくそこまで普通でいられるな…と思いつつ、言われるままに俺は部屋へと入った。