到着した。水族館と呼ばれたそこは、確かに水族館である。
「では、ぼっちゃま。私はこれで。…あや様、ではまた」
「えっ…真田さん…?」
真田さんはそれだけ言い残して行ってしまった。
「蓮先輩…。真田さん行っちゃいましたけど?学校行かないんですか?」
「大丈夫。あやの欠席、出席にしてもらうから」
そんな権限あるんだ…。やっぱすごいな、西園寺家。
「…っじゃなくて!そういう問題じゃなくてですね!」
「ん?」
「まず、なんで水族館なんですか?」
「…入れば分かるよ」
ニヤッと笑ってあやの手を握り、水族館に入った。
「!!!ここって…」
「ラブホ」
水族館と呼ばれたそこは、外観は水族館。でも中はラブホだった。
「ここね、俺の15歳の誕生日に、親父に造ってもらったんだ。なんか、もっかいしたくなっちゃったからさ。家より満足させるからネvV」
「ネ」っと笑い、受付を済ませ、部屋に向かった。部屋につくと、勢いよくドアを閉め、後ろから強く抱きしめる。
「蓮先輩っ…」
「えっちの時は、呼び捨てる決まりだろ?」
「は…はい」
どうしよう…。嫌だ。大好きな蓮先輩だけど…。今はしたくない。…けど逆らえない。逆らったら、もう二度と先輩と会えなくなる。…でも、いや。いや…。
「ゃ…ぃやです…」
「…あ?」