『いてぇ〜!美紗さん…! 何するんだよ!
何かあったの…?』と和也は白々しく美紗に言った。
『もう…、和也君たら、白々しいんだからぁ〜! 本当は楽しんでいるんでしょう…?』と美紗は和也の耳元で小さく囁いた。
和也は美紗にそう言われてニンマリとほくそ笑んだ。
二人は大通りに出ると、通行中のタクシーを一台停めるとそそくさと乗り込んだ。そして美紗は運転手に繁華街に向う様に指示をした。
和也はタクシーの車中でも無線式のローターのリモコンのスイッチをONに入れた。
すると、静まり返った車中にローターの振動音が聞こえてきた。
タクシーの運転手が気ずいて美紗に話し掛けた。
『お客さん、携帯のバイブ音が聞こえてますよ……?』
美紗はその得も言われぬ快感に必死で堪えながら、指先を甘噛みをしてよがり声が漏れ無い様にした。そして携帯に出るフリをした。
和也は調子に乗って、ローターのリモコンのスイッチを強にした。
美紗は堪らず、『はぁ…、はっ…!』と小さく喘いだ。
『美紗さん…、昨今から何をしているんだ……? 気分でも悪いの……?』と和也がわざとらしく美紗に話し掛けた。
美紗は横目でジロっと和也を睨むと、また和也の二の腕をギュッと摘みあげた。
『お客さん…? 本当に昨今から、どうされたんですか…? 気分でも悪いんですか…?』
『い、いえ、大丈夫です。気になさらないで下さい……!』と美紗は運転手に告げた。
二人がそんな事をして居ると目的地の繁華街に到着していた。美紗が運転手にタクシー代を支払うと二人はタクシーを降りて行った。
そして二人はまるで新婚夫婦の様に繁華街のデパートの中に入って行った。
デパートの中は、平日だと言うのに結構買い物客でごった返していた。美紗は迷わずランジェリー売り場に歩いて行った。
和也は少し恥かしかったが、美紗さんの後を何喰わぬ顔でついて行った。そして美紗と一緒に色採々のランジェリーを物色した。
美紗が紫色のブラジャーと同色のシースルー紐Tバックパンティを選ぶと、二人は試着室に入って行った。
『ねぇ…?和也君、ミニワンピースのファスナーを降ろして頂戴……!』と美紗は鼻声気味に和也におねだりをした。