「マジ?別れてからずっと?てか酔った勢いトカじゃない?」
祐輔は余計目を見開き聞いた。
「うん、本気で」
あたしは恥ずかしくて顔が合わせられなかった。
「すげぇ嬉しい。ゲンさん!!さっきの訂正!!アキ、俺の彼女だから」
肩を抱き胸を張ってゲンさんに自慢する祐輔の姿は高校の頃と変わっていなかった。予備校の先生に同じように自慢してた祐輔を思い出し、つい吹き出してしまった。
「お〜う?アキちゃん笑っとるぞ?無理矢理口説いたんでねぇが?」
意地悪く笑いながら言うゲンさんに祐輔は少しムキになって
「ちげぇよ!!俺ら両想いなの!俺の片想いじゃなかったよ〜」
と言うと
「そうけそうけ。そりゃぁめでてぇな。じゃぁ幸せなお二人さんになんでもご馳走してやろう。何が良いけ?」
とゲンさんは気前良く言ってくれた。あたしたちは梅酒を一杯ずつ頼み、乾杯した。
「じゃあゲンさん、ゴチっした!!」
「ご馳走様でした。また来ますね」
あたしたちはお勘定を済ませ店を後にした。
「ゲンさんって良い人ね、なんか祐輔のお父さんってかんじ」
「ゲンさんね、マジ良い人だよー。ゲンさんが親父だったら良かったのに…」
あたしたちは笑って話ながら帰路についた。