「なあ、もうすぐクリスマスじゃん…晴明、どうすんの?」
情けなくなるくらい必死に「普通」を装う
晴明は最近かけだした眼鏡を取りだし俺をチラッとも見ずに答えた
歩みに一切乱れはない
「どうする、とは?」
「え、いや、ほら、友達と過ごす〜とか家族と過ごす〜とか…」
俺と過ごす〜とか
と虚しく付け加えてみる、心のなかだけ
「意味がわからない。クリスマスだと何かしないといけないのか?」
(°Д°)…ヒイッ
なんて…強いんだ
お前は強いよ…
180の俺に比べて5?ほど小さい晴明が、大きく見えちゃったぜ
と、いきなり晴明が歩みを止めて考え込んだ
あやうくぶつかりそうになる
「クリスマス…五文字の中に沢山単語が入ってるな」
「は??」
「…栗、栗鼠、升…」
……
「クリス、とか。外人かってーの」
とか言ってみた
と、ここで奇跡が起こった
晴明が…笑った
「クリス、ね…それは考えなかった」
ああ、なんて綺麗な顔で笑うんだ
そう、俺が本当の意味で恋したのはコイツのこの…笑顔をみた瞬間だった