「慣れないこと、するもんじゃないな」
俺が持ってきたグラスにドラえもんの絵が書いてあるシャンパンモドキを入れながら、晴明が恥ずかしそうに微笑した
なんなんだろう、って百万回思う
晴明が俺の為に…来てくれて、自分の出来る範囲で喜ばせようとしてる…
俺だけを
俺のために
「なんで?こんなことすんの??
晴明が…なんで?」
晴明はカットケーキに(コージーコーナーの)
蝋燭を立てる
「か…感謝…してるから」
「晴明が?俺に?
なんで?」
チャッカマンで炎が灯る
「…苦手だ
そういうの、伝えるのは」
「聞きたいんだ!!」
強く言うと、晴明は長い睫毛を伏せて息をそっと吐いた
「いつも…傍にいてくれてたから」
真っ赤になってる
震えを抑えるように両手を握りしめている
「僕は、こんなだから友達もいないし…いや、いらないと思っていたし
寂しいとか、そういう感情が解らなかった
けど、お前が僕に鬱陶しいくらい構うようになって…「友達」も悪くないな、と思えた」
ぶっきらぼうに言葉を結んだのとは裏腹に、俺を見上げた目はあどけないくらい揺れていて…
俺は…