「見てみろよ…手紙」
「……うん」
………………
…………?
ガン見…
「…えぇ?!今っ?!」
「たりめぇだろ!有言実行、即!それが俺のやり方だ。」
って、俺はあなたじゃないんだから…
なんてひとなのこの人?
何様なの
黒川サマですね、あぁ、そうね。
やだなぁ、誰かいる前で
……
…まぁ、
この人なら別にいい。
重い腰をあげて黒川さんに脱がされたスウェットをまさぐる
ケツポケットにそれはあった。
「…ありきたり。」
古い手紙には
元気ですかとかちゃんとご飯は食べてますかとか堅苦しい言葉で埋められていた
何度か書き直したんだろう後が残っていたけど
本当にありきたりな内容が並べられていた
『なんだ』そうほっとしてもう1通を開いた
「!」
手紙と一緒に入っていたのは古ぼけた写真
嫌でも記憶に残っている見知った女性と
知らない赤子
ただその女性は
俺の知らない穏やかな表情で
子供を抱いていた