ちらりと久間とお理津の方を見やる。そしてすぐに顔を伏せ、平吉に銚子を差し出した。小刻みに手が震えている。
「紫乃よ、そうびくびくするなぃ。お前には手ぇ出さんよう、平吉にも言ってある」
紫乃はまだ十四を数えたばかりの娘である。久間は生娘を手に掛けるような真似こそしなかったが、しかし平吉の浮かべる笑みが紫乃にとって怖くてたまらない。
芯が菜種油を吸うジジ、という音さえ聞こえる静寂の中では、お理津の荒い息遣いが煩いほど。やがて糠に手を突っ込むような音が激しい水音へと変わってゆく。喜作は虫のように這いつくばってお理津の溢れ出す汁を見詰め、平吉は目を伏せる紫乃の顔を赤らめて恥ずかしがる様子を肴に酒を煽る。
「旦那ぁ」
「ん。手は付けんなよ。まだ小娘だ」
「判ってますよ。手は出しませんて。ただねぇ」
「ああ。紫乃よ。粗相のないようにな」
「はぃ……」
平吉の顔が卑猥に歪む。お理津の体は久間の手から離され、そして喜作へと委ねられた。喜作は下帯一枚となり襲いかかる。そう、まさしく野犬の如く襲いかかるのだ。下帯からはみ出した逸物を、程よく濡らされた割れ目に突き立てる。
「あぅっ!」
膳を除けた畳の上で、獣のようにひたすら腰を動かす喜作。それを久間は見世物でも見るかのように楽しんでいた。激しい突き上げにお理津は乱れ、醜態を晒す。そんな交尾のような有り様を見せられる紫乃は胡座をかく平吉の膝の上、銚子を持ったままちょこんと座らされていた。小さな膝小僧の辺りに熱く固い物を感じながら。
「お前さんもいずれ、ああいう事をするんですよ」
耳元の声は荒げた息を纏い、紫乃にとって不気味な事この上無い。背後から腰を抱き寄せる腕からは逃れる事も出来ずにただ萎縮するばかりで、ちらりと目を開けば上下する喜作の陰茎。
「どうだい? お理津」
久間は彼女の前に立ち、帯を解き始めた。目配せをすると喜作は彼女を四つん這いにし、今度は背後から突き上げる。どかり、と胡座をかいた久間の股間に顔を埋めるお理津。
「んんっ」
平吉もまた紫乃を膝に乗せたまま帯を解いてもろ肌。杯を突き出されれば酌をしない訳にもいかず、不安定な膝の上。髪に口づけをされながら、銚子と盃がカチカチと音を立てる。
「溢すんじゃありませんよ」
旋毛に響く低い声。注がれた酒を飲み干す代わりに吐き出される酒臭い息に顔をしかめる。