久間がお理津の尻を左右に押し広げると、ずるりと、そして遂には親指までもがねじ込まれてしまった。お理津の息は苦しげに荒く、紫乃もまた鼓動が高鳴る。
「ほぅ、入るもんだなぁ」
「へへ、まだまだ小さい手ですからねぇ」
五本の指が入ってしまえば後は一気に手首まで、紫乃の右手は暖かく握り締められるように包まれた。
「指を動かしてご覧なさい」
魔物の囁き。
「あっ、だ、だめぇ……」
吐息混じりの弱々しい叫び。恐る恐る力を入れれば、びくりと体が反応する。紫乃はそれを面白く感じた。玩具だ。
「おほっ、腕が喰われてらぁ」
いつの間にやら喜作も覗き込んできた。その時、紫乃の目の前にだらりと果てた逸物が迫り、戦慄を覚える。つい、お理津の中の右手を握り締めてしまった。
「かはぁっっ!」
節々が膣壁の至るところを刺激し、彼女は一気に昇りつめた。右手を脈動のうねりが締め付ける。
「こいつ、気をやったか」
四つん這いの姿勢から前のめりに倒れる事で、紫乃の右手もするりと抜けた。粘液まみれを気持ち悪がり、裾で拭う。その時、紫乃の目の前にぶら下がっていた物がみるみる膨張し、ついには猛々しく上を向いて脈打ち始めた。
「おう? 紫乃。おめぇ、玉茎(男根)見んの初めてなんか?」
唖然としながらもまじまじと見詰める視線に気付いた喜作。紫乃はこの家に奉公し、まだふた月余り。男の裸は主人の背中を流す事で見慣れてはいたが、このような様は今日が初めてなのである。声を掛けられ目を逸らす紫乃を、しかし見逃さなかったのは平吉であった。再び、その右手は捕らえられる。
「い、嫌……」
紫乃は気づいていた。平吉が次に何をさせようとしているのかを。しかし平吉の手は痛いほど強く紫乃の手首を捕らえていて、逃れる事が出来ない。紫乃はついに涙を溜め始めた。
「美濃屋の旦那。その辺で堪忍してやんなよ」
「はは、こいつはどうも、ついキリを忘れてしまいまして……」
やっと出された助け船。紫乃はぺこりと頭を下げ、そそくさと部屋を逃げるようにして出て行くのであった。