本尊である木彫観音像の前で、淫靡な音を立てる。紫乃は仰向けに寝かされ、膝を折り曲げた足を抱えるように持たされていた。大事な所が天井絵の極楽図に向けられている。節くれ立った皺だらけの指が、湿り気を帯び始めた縦の筋をなぞらえ、その度に紫乃は小柄な身を震わせていた。
「桜色の割りには、よう濡れるのぉ。煩悩汁にまみれておるわい」
老人相手ゆえの気の弛みかも知れない。いつしか紫乃は脳天を突き抜ける快感に溺れかけていた。
「やはり初物か。はて、儂の老いた棹で破れるかのぉ」
いとも簡単に没入してゆく二本の指が、擦れ、折れる度、敏感に反応し、熱い吐息を漏らす。出し入れしながらも暴れ、踊る度にこぽこぽと音を立てて大惨事。
「男を知らぬにしては淫乱じゃのう。ほれ、ここはどうじゃ」
「あふっ……」
ぬめりをそのまま菊座へと持って行き塗りたくれば、擽ったさと恥ずかしさが紫乃を襲った。人差し指と中指で腟内を遊びながら、同時に親指の腹で菊座を揉みほぐす。
「そ、そこは違います……」
「穴を間違えるほど呆けてはおらんて。まぁ儂に任せなさい」
そう言うと老僧は法衣を拾い、おもむろに印金を取り出した。印金とは携帯できる柄の付いた鈴(りん)である。呼吸に合わせて収縮する菊座に、その印金の柄を当てがった。
「な、なにを!?」
紫乃が息を吐く拍子に合わせ、つぷ、と、親指ほどもあろう柄の先端が押し込まれる。
「くはっ」
目を強く瞑りながら口を大きく開け、しかし声は出ない。呼吸ばかりが荒くなる。しかし息を吐く度、無情にも柄が奥へ奥へと呑み込まれていった。その排泄の感覚は、紫乃を恥辱で犯す。老僧の手には鈴棒が握られていた。
「儀礼じゃ」
チーン……
「んあっ」
菊座に突き刺さった印金を鳴らす。澄んだ鐘の音が本堂に響き渡り、その音色は紫乃の体内にもこだました。
チーン……
「いくっ」
打ち震える肢体。痙攣する肩。陰部からごぼり、と、粘液が零れた。
「お前さん、もう昇り詰めてしまったのか。なんと。のう」
チーン……
「んっっ!」
その時、勢い良く発射された液体は粘液にあらず。それは黄金色の放水。
「おぅおぅ、この娘め、失禁してしまったか」
「いやぁぁぁ……」
止めどなく床を濡らす放尿。しかし老僧は困惑するどころか嬉々とした顔。