二本指、怒涛。ほとばしる淫汁。仰け反り背中を浮かせる細い肢体。
「逝くっ!」
「逝かせぬ!」
ずばり、と、指を引き抜く。時が止まる。
「まだ逝かせぬ」
ふるふると揺れる、朱火(あけび)のような肉の房、ふたつ。その色付いた果肉の間に間に、めくれた臓腑。燭台を、近付け照らせば果汁がこぼれる。この、有り様。
「この女、楽しませてくれるわ」
「ご、後生です。やめないで下され」
「こやつばかり可愛いがってはつまらぬだろう。なぁ、紫乃とやら。お前も脱ぐのだ」
「駄目……紫乃ちゃんは……」
お理津の訴えは虚しかった。紫乃はこくりと頷き、自らその帯を解く。
「さあ、尻を寄越せ」
仰向けのお理津に覆い被さる形で、紫乃。四つ足となり尻を突き出す。
「なんと。まださして使われておらぬでは無いか」
「その通りで御座います。紫乃はまだ、おんなになり切れておりません」
「そうか。ならば仕込んでやろう……ぞっ!」
「ひあっ」
両の掌で尻を割り、顔を埋める。粘膜と粘膜を擦り合わせ、ぬるりと伸びる舌の侵食。
「かふっ」
紫乃が息を吐いた時、お理津と視線が繋がり合った。紫乃の目はお理津に対する憧れ。が、お理津のそれは憐れみを浮かべる。
「紫乃ち……」
言葉は唇に吸われてゆく。鼻息が互いの頬を擽る。唇が離れた時にお理津が目にした物。それは少女とは思えない、暗く妖艶な微笑み。何かを言おうとした。だが、暇(いとま)も無く突き立てられ壺を満たしてゆく峰岸の肉棹。口から漏れたのは、声になれなかった熱い空気。お理津は溺れてゆく。
「さてはお前、すでに濡らしておったな」
「……言わないで下さいまし」
絞り出すような声で紫乃。広げても狭い入り口の中は闇。お理津を突きながらも、体内の暗がりを覗き見て口の端を吊り上げる峰岸。紫乃の目の前には、目も口も半開きなお理津が揺れる。
「どれ」
「は」
指が造作もなく。
「それ」
「ん」
二本目も然り。
「ふむ」
「んんん」
お理津の頭を抱きかかえるように、しがみつく。
「こら、腰を動かすな」
「でも、でも……」
勝手に上下、止まらず。止める事が出来ず。そして二人のおんなの声が、動きが重なり合ってゆく。
「だっ、逝くっ」
「逝かせぬ!」
ずばり。肉棹が抜かれた。お理津の淫汁にまみれたそれは、上のもうひとつの壺へ。