「痛っ!」
紫乃の顔が歪む。細腕でお理津の頭を締め付ける。
「紫乃ちゃん……」
「だ、大丈夫……です」
体を密着させるお理津は、小刻みに震える振動と熱い程の火照りを全身に感じ取った。愉悦が伝染する。乳頭が擦れ合う。
「せ、狭いな。これではすぐ出てしまう」
抜いて深呼吸。気を整え再び下の壺に。二人の淫汁が混ざり合い、いよいよ滑り良し。
「くっ」
お理津と紫乃が共鳴し溶け合う。そして骨が軋まんばかりに抱き締め合い、共々昇りつめてゆく。峰岸は圧着された二つの谷間に分け入るが如く踏み入れ、上下の敏感な芽を同時に蹂躙。激しき摩擦。容赦無し。
「も……だめ……」
「あたしも……」
「参る!」
谷に精汁が注がれ、花が咲き乱れる。
三人が三人、共に天へと昇り詰めた。
やがて浮遊感から急降下。この暗い長屋の一間に墜ちてゆく。
墜ちたこの部屋は、地獄かも知れない。それは、お理津と紫乃の感じた事であった。
「お前たち、気に入った。大層気に入ったぞ。これ程楽しめたのは久しぶりだ。今度俺の屋敷に来い。たんと可愛がってくれよう」
ぐったりと重なり合う二つの女体は、返事をする活力も費えていた。峰岸はそんな二人を後目に、満足顔で帰って行くのであった。
隣近所の評判はすこぶる悪かった。薄い壁を隔てて夜な夜な喘ぎ声が聞こえて来るのであるから、眠れたものではない。だが、いくら大家に文句を言っても、馬の耳に念仏。それもその筈。
「さて、今度はなすびでも入れて見ましょうかねえ」
「大家さん、変な物ばかり入れないでおくんなましよ。私の体は玩具じゃないんですから」
単(ひとえ)を着たまま裾をからげて仰向けのお理津。長屋の大家である左平次は、脂肪を揺らしながら少年のように目を輝かせ、彼女の股を開く。
「何をしても構わぬと言ったじゃないですか。こっちは金子を払ってるんですよ。さぁ紫乃や、これを」
水を張ったたらいに浮かぶ野菜から取り上げた茄子。紫乃は手渡された瑞々しいそれを見詰める。
「どうした。早くお理津の穴に入れておやり。それとも自分の穴に入れたいのかい?」
「私のは小さいから無理です」
左平次はこの部屋に通いつめており、すでに馴染みとなっていた。ただ、いつも少々変わった事をする。外は梅雨も明け、今年最初の蝉の声。じっとりと滲む汗で濡れた小袖が、紫乃の体に貼り付いている。