一時間くらいでアサミは赤くなった。
「赤いよ」
アサミは色白のぽっちゃりめ。どちらかと言えば童顔だった。コイツが飲んで赤くなった顔は見たことがない。意外に色っぽいので、ボクはちょっと複雑な気持ちになった。妹なんてボクの家来くらいに思ってたのに…ボクの知らない顔をしている。
「お前…案外モテる?」
「は?…いたら土曜の晩に兄貴と飲んだりしないよ」
「だろうなぁ。オレはお前と違ってモテるけど。」
だって本当言うとボクはよくモテた。でもあくまで冗談…。なのにアサミは寂しげに微笑んだ。
「知ってる…」
なんか調子が崩れる前にテンション戻そうと「お前…赤くなった顔なかなか…いいね」
妹は照れた。目を合わせようとしない。
「何照れてんだよう」ボクはアサミの染まったほっぺを突っ突いた。
「やめてよぅ」
ボクはちょっとからかい半分にアサミの肩に腕を回し、俯く彼女の顔を覗き込んだ。笑い飛ばしてやろうと思ったのに…コイツったら…可愛らしくはにかんでる…
ボクは急に胸が苦しくなって、アサミを抱き締めてしまった。頭の中は真っ白。