そして一路二人の乗った営業車はえみりの住むアパートを目指して走り出した。
暫く二人は沈黙のまま、会社の営業車を走らせていた。するとえみりが兼人さんに在る質問をした。
『ねぇ…? 私達のこの関係は貴方の奥様にはバレていないの…?えみりは何時かバレるんじゃないかとハラハラしているんだけど、兼人さん、大丈夫なの……………………?』
その質問をされて兼人さんは重い口を開いた。
『あぁ…! そんな事か……! それなら大丈夫だよ……! 今はまだバレていないから、でも、俺達の夫婦生活は全く無いと言ってもいい位なんだ…!
俗に言う仮面夫婦と言う奴さぁ――!』
『ふーん! そうなんだー―――!』
『それに嫁さんだって、何処かの若い男とラブホで宜しくヤってるさぁー―――!』
そんな会話をしていると、えみりの住むアパートに車が到着した。兼人さんは車を停めると、えみりの唇びるに激しくキスをした。
そして二人はお休みの挨拶をするとそれぞれの家に帰って行った。
えみりは兼人さんが運転する車を降りると、えみりの部屋のキーを開けて自宅の中に入って行った。
えみりは部屋の中に入ると、部屋の灯を点けて周った。えみりは
ピンクのラブソファーに腰掛けると、薄型テレビのリモコンスイッチをONにして暫く一時間程ぼんやりと観ていた。
するとやがてえみりに強烈な睡魔が襲って来たので、えみりは薄ピンク色のネグリジェに着替える事にした。
えみりは会社のピンクの制服を素早く脱いで行った。そして下着姿になると、ベッドの横の籠の中から薄ピンク色のネグリジェを取り出すとその下着の上に羽織った。そしてえみりはそのまま、ベッドに仰向けに倒れ込んだ。
えみりは浅い睡眠の中でウトウトとしていたが、どれ位の時間が経っていたのだろうか、ベッドの飾り棚に置いた目覚まし時計を観て観ると、夜中の2時頃を指していた。
えみりはあんなにクタクタだったのに何故か眠れ無かった。それは今迄味わった事が無い様な快感に身体の芯がジンジンと疼いているからだとえみりは思った。
えみりはその原因を調べる為にまだほてった身体を手の指でまさぐって見た。