『ああ、このキャミソールと短パンでしょ?是部屋着にいいでしょ? えみりさん、ひょっとして御所望なの?』
『はい、部屋着に欲しいです。タダで頂く訳には行かないから、お代をお支払いしますけど………?!』
『そうネェ…!じゃあ、えみりさんがそう言うのならそうさせて貰いましょうか』
『それで、お代は御幾らですか……?』
と言ってえみりはマイバッグの中からピンクの財布を出した。
『そうネ…!えみりさんには特別価格で、5千円でいいわよ…!
どう…?御安いでしょう? 通常価格は7千5百円するんだから!』
『えッ!両方で5千円ですかぁ…? それって本当に御安いわ!』
『じゃあ、お代をお支払いします。5千円ですネ……! はい!5千円……!』
と言ってえみりは由希子さんに5千円札を手渡した。
『毎度御買い上げ有り難う御座います。5千円札入りまーす!』
と由希子さんはおどけて観せた。
『黒澤…! えみりさんがキャミソールと短パンが御所望なの、
クローゼットから在庫して有る商品を一箱をここに持って来て頂戴………………!』
『畏まりました!由希子様…! 暫くの間御待ちくださいませ。』
黒澤さんは暫くクローゼットに入って在庫の商品が入っている箱を捜していた。暫くするとメイドさんの衣裳を着た黒澤さんがクローゼットから箱を抱えてやって来た。
『黒澤…!ご苦労様だったわね…! もういいわぁ…! さぁ、えみりさんは何色のキャミソールと短パンが御所望なの?』
『えみりは薄いブルーがいいから、短パンは水色の短パンがいいです。キャミソールは薄ピンク色がいいかな〜〜〜!』
『じゃあ、短パンが水色で、キャミソールが薄ピンクねぇ…!』
と言って由希子さんは段ボールの箱の蓋を開けて、えみりの御所望の短パンとキャミソールを捜し出すと、えみりに差し出した。
『あら、紙袋に入れた方がいいかしら…?』
『はい! 出来ればそうして貰えると嬉しいですけど………!』
『あッ!丁度寝室の隅っこに我が社の紙袋があったわ!じゃあ、えみりさん、はい、是!』
と言って由希子さんはえみりに笑顔で手渡した。
『じゃあ、朝の6時を過ぎたので、私はお部屋に帰ります。長い間御邪魔しました。』と言ってえみりは由希子に別れの挨拶をすると由希子さんの御屋敷の玄関を出て行った。
すると玄関前にタクシーが既に停まっていた