『あ、もしもし、由希子さんですか?
えみりですが……!』
『あー、えみりさん、由希子ですけど、また相談事が在るの…?』
『あ、はい由希子さんに相談したい事があるんですが……、聞いて貰えますか………?』
えみりは今迄起の事を切々と語り始めた。
『そう……! 会社に上司との不倫がバレて、えみりさんの上司の兼人さんは沖縄支店に左遷されて、えみりさんは会社をクビになって、おまけに今住んでいるアパートは兼人さんが借りてくれた物件だから、アパートを追い出されるかも知れないって言う事なんだ〜〜〜!
そりゃ大変じゃないの!えみりさん!』
『由希子さん、そうなんです……、この先どうしたらいいですかネ!』
『そんなの簡単よ!
えみりさんが我が社の社員になればいいのよ……! それっていい考えでしょう……?』
『それは本当に有り難い話ですけど、住む所はどうしたらいいですかネェ……!』
『それも簡単よ!由希子の家に住み込みすればいいじゃないの……! それにえみりさんは、由希子に相談して来たと言う事はあの決心がついたって事でしょう……………? 』
『あの決心って何ですか……………?』
『まあ、えみりさんたらぁ、また惚けちゃって、 まぁいいわ…、今週末の我が社の創立記念パーティーが楽しみだわ……!えみりさん、たっぷりと可愛がってあげるから楽しみにして置いてね!』
と言って由希子さんはほくそ笑みながら、一方的に携帯を切った。
えみりは結局会社に辞表を提出して、会社を退社してしまった。
そしてえみりは由希子さんの豪邸で暮らす事を決心した。