『あ、あの〜? お客様……、お食事の御時間ですが……? お座敷に御運びして置きますネェ………?』
と言って2人の部屋に仲居さん達が夕食の膳を運んで食卓に置きに来た。
優花はベッドルームの引き戸を閉めながら、仲居さん達に言った。
『あ、すいません、仲居さん、そこに置いといて下さい! 今私温泉に入っていたので、全裸のままだからそこのテーブルに置いといて下さいませ!』
と少しパニックになりながら、仲居さん達に説明をした。
『あ、すいません、御着替え中でしたか…?じゃあ、ここに置いて置きますから……?』
と言って仲居さん達は部屋をすごすごと出て行った。
優花はベッドから起き上がると、ピンクのスケスケTバックパンティー姿のまま、部屋専用の露天風呂に剣を呼びに行った。
『剣……仲居さん達が夕食の膳を運んで来たよ…! もう温泉に浸かったの? 』
『あーー!いい湯だよー――! 優花奥様!優花奥様も入れよ!』
『そうじゃ無くて、仲居さん達が夕食の膳を運んで来たんだってばぁ……!』
『あーー! そう……! じゃあ…もう出るから、優花は浴衣を羽織って先に部屋で待っていてくれよ!』
『判ったぁ…!じゃあ、部屋で待ってるからネ…………!』
と言って優花は浴衣を羽織って着替え直した。そして優花は浴衣姿で向かい合せになっている座椅子に座って、剣君が温泉から出て来るのを待っていた。
暫くすると湯上がりの浴衣姿の剣君が部屋の座敷に帰って来た。
そしてテーブルの上に並んだ夕食の膳を観て2人は思わずため息を漏らした。
それはどれもこれも
精のつく食材ばかりだった。前菜は山芋と鰻の肝の酢の物で、メインディッシュは鰻のひつまぶし、それと汁物は鰻の肝吸いと正に精のつくオンパレードだ。
『剣君たらぁ…!精のつく食べ物ばかりじゃないの〜〜! もう〜〜剣のエッチィィィ…』
『そりゃそうでしょう…! 優花奥様に明日の朝迄精を吸い取られるんだから、是位頼まないと……ネェ…!』
と剣君は優花の前で
おどけて観せた。
優花はしおらしく顔を赤らめながら俯いた。