「では、こちらです」
「はい」
俺は22歳の会社員、松本アキラ。
今日俺がここ塩田牧場に来ている理由は、限定1名が極上な牛の乳しぼりが無料で、しかも飲むことができるというキャンペーンに見事当選したからだった。
飼育員の誘導に応じてその後を付いていく。
いかにも牧場らしい独特の臭いはどうしても鼻をつまみたくなる。
そして飼育員はたくさんの牛がいるなか、一番奥まで進み、歩みを止めた。
「これが今日、松本様が乳しぼりをする牛でございます」
俺はその瞬間信じられないものを目の当たりにする。
俺の目の前にいる「牛」呼ばれたものは俺と同い年くらいの美女だった。
彼女は四つん這いになっていて、牛柄の、まるでうる星やつらのラ〇ちゃんのコスプレと言わんばかりの格好をしていた。
胸まで伸びた長い髪の毛は四つん這いのせいで地面に付きそうになっている。
そんな彼女が愛しそうな目で俺と飼育員の人の顔を見ている。
しかし俺は状況がよくわからなかった。
「…どういう事ですか?この子が乳しぼりの牛って…」