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marigold #3

輪廻 2012-08-01投稿
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放課後、二人はクラスの図書委員を任されているため、委員の活動で図書室に来ていた。

「はぁ〜。なんでこう本がバラバラになってんだか…」

「夏休みに図書室の整理もしたのにね…。こんなにバラバラになってるなんてちょっとショックだなぁ〜」

「あ、優、それはこっちの棚…。
…あ、それはこっちの……。
え…あ、違う…ちょっと!!アンタの入れる本と私の入れる本の棚、位置違うから!!
なんでこんな狭い空間の本棚の位置間違えるかな…。アンタはあっちの棚だっての!
………ああ〜、いちいち泣くな泣くな、強く言い過ぎたって…」

「だって……沙耶ちゃんが……うぅ…」

いつもこんな調子の優を、沙耶が放っておけるはずも無かった。
だからこそ、職員室へ向かう途中言われた一言が余計、沙耶の心には引っ掛かっていた。

「優…」

「ん〜、なあに〜」

「アンタさ、その……。好きな男子とかいないの?」

「いない、いない〜」

沙耶は毎回、当然のように答える優に、少なからず胸を痛めていた。
優の"事情"を知っているから。

「私には沙耶ちゃんが居ればいいもん」

「ったく…」

「こっちは終わり〜」

「早ッ…!アンタ言われたことやるのは早いんだよね」

「へへ〜」

褒められて得意になっている優を無視して、沙耶は自分の持ち場の整理を続けていた。
沙耶が踏み台から足を下ろした時、不意に、優が後ろから抱きついてきた。

「…っと!!マジに危ないっ…て…………?優?」

優は後ろから抱きついたまま、沙耶の背中で泣いていた。

「優…?今日は特にヘンだぞ…。どーした?」

「今日は特に…って……。いつもヘンみたいじゃん……」

「いつもヘンでしょ?」

「……………私…男のひとはやっぱり好きになれないよ……」

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