沙耶は待っている間も、自らの裸に優の体液があるのを見つけると、ぞくっとした快感に襲われた。
(学校……学校行かなきゃ………)
沙耶は幼い頃の最悪の記憶を、必死に消していた。
優となら、消すことができると思った。
優との"行為"なら…。
「…!!さ、沙耶ちゃん…。いいよ?一緒にシャワー浴びよう……はぁっ…だ、だめだよう…キスしたら……また…ん…んん………」
優は裸のまま浴室に入ってきた沙耶の瞳を、見ることはできなかった。
「……っはぁ…優…優の愛液……頂戴」
優の片足を上げ犬が小便をするような体勢にさせ、沙耶はそのまま彼女のクリトリスを舌で味わい始めた。
「ひっ…沙耶ちゃん…ッ!!がっ…学校…!行かなきゃ…!!はぁ…!学……校……あッ…あぁ…!!ん…!!イ、イクッ…!!」
「ぷちゅ…くちゅ……ぷは…!!美味しいよ優…もっと頂戴……ぷじゅ…ぐちゅ」
「…!!ひッ…ぁあ!!ら…らめぇっ……学校……行かな…きゃ…ひぅ…ぁああ沙耶ちゃ…んんぅ!!」
(沙耶ちゃん……学校…行かないの?)
呟けたかどうかも分からない、儚い声に、沙耶は瞳は虚ろなままに応えた。
(学校…学校には………"男"がいる…。私の大嫌いな……生き物が…)
沙耶は、自分よりも、深く、もう癒すことができない傷を、負っていた。
(行く意味なんか…………)
優は浴室に横たわったまま、沙耶の手を握って、力を振り絞って言った。
――私は慈善とか哀れみでアンタのトラウマと向き合ってるワケじゃないから。
私はアンタに早く真っ当な人間関係を築いて、真っ当な恋愛とかをして欲しくて…――
(………アレは…ウソなの…?)
(ううん………。トラウマ乗り越えて…真っ当になって欲しい……。
"アンタ"には………。)
(沙耶…ちゃん…は…?)
(今の私は……真っ当だよ……)
(沙…耶…ちゃん…………………)