チラッとグループを見渡せば
『逝ってこい』
『お前の屍は俺が越える』
的な感じになってる
そんなら仕方ないか、僕も男だ!
財布の中身を空にしてやんよ!
ってなわけで不可思議な顔してジロジロみてくる松前殿と連れだって屋上に向かったのだ
「相田くん、なんで敬語なの?」
階段歩きながら聞かれて
「…な、なんとなく」
と見事な気弱ぶりで返答
松前殿は大層女子に人気のある爽やか、かつ人懐こい笑顔で
「おもしれーなあ」
と笑った
いやいや面白かないですよ
と心の中でだけ愚痴ってみたりする
さて、昼時の初夏の屋上はそこそこ生徒がいた
眩しい…
いろんな意味で
僕らタイプは屋上で飯なんか食わない
なぜならカポォがいたり、一番から三番くらいの集団がいて刺激的だからだ
しかし今日の僕は横にナイスガイがいるのだから、恐れることはない…むしろこのナイスガイ自身を恐れた方がいいのだ
「あのー…ここもうるさいんじゃないですか?」
カツアゲするには
「いや、これくらいなら大丈夫」
ほほう、公開処刑か…やるな松前殿は
僕は決定的な瞬間を身構えていた…